小学教科書検定 神話など伝統文化増えるも、自虐史観は残る(産経新聞)

 伝統文化の尊重やわが国と郷土を愛する態度を養うことを教育の目標として明記した教育基本法の改正から、初めての全面改訂となった今回の小学校教科書。各教科で日本の伝統的要素を取り入れようとする姿勢がみられる一方で、6年生で学ぶ日本史では依然として日本を“悪者”として描く自虐史観の記述が残るなど、改善されない課題も残っている。

 □「白ウサギ」4社に

 1、2年の国語の全教科書に掲載された神話では、「因幡(いなば)の白ウサギ」が5社中4社に、「ヤマタノオロチ」が2社に登場した。東京書籍は物語の冒頭だけを紹介する形で、前出の2つに加えて「海幸彦と山幸彦」なども掲載している。

 文部科学省によると、現行の小学校国語教科書には全学年とも神話に属する物語は掲載されていない。

 ヤマタノオロチを選んだ学校図書は「活劇調で動きがある話の方が今の子供には親しみやすく、伝統的なものに気持ちが向くのでは」と話す。白ウサギを選んだ教育出版は「ヤマタノオロチは戦いや殺人で、海幸は最後に兄弟げんか。2年生が読むにはどうか…」と「不採用」の理由を説明。白ウサギについては「主人公が動物で、シンプルで親しみやすい」としている。

 音楽で全社に掲載されている「君が代」は、教育出版が5、6年で歌詞の大意を詳しく説明。「日本の繁栄と平和を願う歌」といった簡略な記述をやめ、「細石(さざれいし)が集まりやがて大きな岩となり、その上を苔(こけ)が一面におおうほどの永(なが)きにわたり…」とわかりやすく記している。

 理科でも6年の「月の位置や太陽の位置」で6社中3社が江戸時代の俳人、与謝蕪村の俳句「菜の花や月は東に日は西に」を紹介するなど、素材を伝統文化に求める姿勢が各教科でみられた。

 □「侵略」変わらず

 6年社会上の日本史では、日本の戦争は「侵略」と表現し、欧米やロシアの戦争は「勢力をのばす」などとする二重基準に変化はなかった。特に明治維新以降は、「日本が、不平等な条約をおしつけるなどして、朝鮮に勢力を広げようとしていた」(教育出版)など、当時の国際情勢よりも、日本の「征服欲」を強調する記述が目立っている。

 今回の申請本では、イデオロギー性の強い「アジア・太平洋戦争」という用語が小学校では初めて登場した(光村図書と、大阪書籍版を引き継いだ日本文教出版)。しかし、「理解しがたい」などの検定意見が付き、光村は「太平洋戦争」に修正、大阪書籍は「一般には太平洋戦争とよばれています」との説明などを加えて合格した。

 一方、沖縄戦についての記述が増えたため、日本が受けた戦争被害については全体の分量が増えた。光村図書では、東京大空襲や原爆について、従来はなかった「アメリカ軍が」という主語を追加した。しかし、「数万人もの人々がなくなりました」(原爆)といった第三者的な表現はそのままで、豊臣秀吉の朝鮮出兵で「多くの人々が殺され」と朝鮮側の被害を強調する記述とは温度差が残った。

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